頻尿の原因は様々ありますが、今回は頻尿の原因の一つである【過活動膀胱】についてお話したいと思います。

過活動膀胱の症状

急激な尿意、尿意を感じてからトイレまで我慢出来る時間が短い、我慢できずに漏らしてしまいそうになるといった症状が出ている方は過活動膀胱の疑いがあります。

通常は、膀胱に尿が溜まり、排尿筋(膀胱の筋肉)が収縮して排尿が行われます。

しかし、過活動膀胱の場合、尿が膀胱にあまり溜まっていない状態でも、排尿筋が収縮を始めてしまうため、トイレに行っても少量の尿しかでません。

過活動膀胱の症状が出ると、排尿後から尿意を感じるまでの間隔が短くなり、頻尿の症状がでます。

また、急激な尿意に襲われるため、トイレまで我慢できず漏らしてしまう、切迫性尿失禁を起こすこともあります。

男女年齢別の過活動膀胱に悩む方々

近年の調査で、男女ともに40代以上の12.4%の方が過活動膀胱の症状を経験していることが分かります。

年齢を重ねるごとに過活動膀胱の症状が出てくる方は多くなり、70代は圧倒的に男性の方が症状で悩んでいると言えます。

過活動膀胱の原因は

過活動膀胱の原因と言われているものは様々で、大きく分けて4つに分けることができます。

脳と脊髄神経系のトラブル

正常は排尿を行うには、膀胱、脳、脊髄神経の連携がとても重要になってきます。

膀胱に尿がある程度溜まると、脊髄神経を通じ、脳へサインが送られます。

すると脳は、排尿の準備をするようサインを送り、私たちはトイレに向かったり、我慢をします。

しかし、膀胱からサインが送れなかったり、脳からのサインが届かなかったりすると膀胱は通常の動きができなくなってしまい、頻尿や悪化すると尿漏れなどの症状がでてきます。

サインの送受信がうまく取れなくなってしまう病気としてあげられるのが、「脳血管障害」です。

脳血管障害とは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの病気です。

脳血管障害の方の約2人に1人の方が、頻尿や尿漏れの症状が出ています。

特に、手足に麻痺の症状が出ている方は、頻尿や尿漏れが起こる確率が上がります。

また、脊髄に損傷を受け、排尿可能な状態でも神経の回復が不完全であると尿失禁などもトラブルが起こることがあります。

膀胱の内側の粘膜のトラブル

膀胱内の粘膜にはたくさんの神経があり、膀胱内の状態を常に感知しています。

特に蓄尿や排尿時の膀胱のふくらみや刺激を判断しているため、この神経が異常を感知してしまうと、膀胱が敏感になり、活発に働きだしてしまいます。

膀胱内の粘膜は、単純に尿を外に通さないためのものではなく、膀胱内の状態を外部に知らせる役割を果たしていまます。

前立腺肥大症(男性)

中年以降の男性に見られる前立腺の肥大。

前立腺は男性にしかない臓器で、尿道の周囲を囲むように存在しています。

前立腺が肥大してしまうと、尿道を圧迫したり、前立腺の神経が異常に活発になり、前立腺を緊張させ、尿道を締め付けてしまうことがあります。

そのため、排尿しづらい、尿の出始めが遅れる、時間がかかるなどの症状がでます。

膀胱では尿が溜まっているのに、排尿がスムーズにいかず、無理やり活動をしてしまい、過活動膀胱の状態になります。

原因不明の突発性(女性に多い)

過活動膀胱の原因として最も多いのが、突発性の過活動膀胱です。

過活動膀胱になる原因はなく、突然症状がでます。

この症状の多くは、女性で、女性ホルモンが関係しているのではないかとも言われています。

過活動膀胱の治療法と治療薬

過活動膀胱の治療法は薬の服用、もしくは電気や磁気などを使用して治療になります。

抗コリン薬を服用の治療法

過活動膀胱に最も効果のある抗コリン薬は、主に、膀胱の異常な収縮を抑える働きがあります。

もともとは、切迫性尿失禁の方のために作られた薬で、テープ剤のものから、飲み薬など複数種類あります。

主な抗コリン薬の種類は、オキシブチニン(ポラキス)、プロピベリン(バップフォー)、ソリフェナシン(ベシケア)、トルテロジン(デトルシトール)、イミダフェナシン(ステーブラ、ウリトス)があります。

ほとんどの抗コリン薬は、服用後1週間程度で効果を発揮し、長いものでも1ヶ月ほどで効果が見られます。

ただ、中には副作用があるものがほとんどで、度合いは様々ですが、口の中の渇き、便秘などといった症状がでることがあります。

電気・磁気刺激による治療法

この治療法は、人口骨頭やペースメーカーを入れている方は受けることができません。

抗コリン薬の服用のみで十分に効果が得られなかった場合、こちらの治療に進みます。

膀胱や尿道の神経に電気や磁気をあて、刺激を与えます。

すると神経は活性化し、働きを高め症状を軽減させます。

副作用もなく、短時間で行うことができるため、高齢者の方でも体に負担がなく行えます。

電気刺激装置は体に埋め込んだり、持ち運びができるものが開発されていますが、磁気刺激装置は大型であるため、週2回程度の通院が必要になります。

過活動膀胱の薬以外での治し方は

過活動膀胱の症状は日常生活で予防、改善することができます。

水分の摂取量を減らす

水分の取らなさすぎは体に良くないですが、水分を多く取りすぎてしまっていることがあります。

水分は飲料だけでなく、野菜などにも多く含まれています。

体に必要な量以外の水分はすぐに尿へと変わってしまうため、過度な水分補給はトイレの回数を増やす原因になります。

トイレの間隔を少しずつ伸ばす

初めのうちは我慢することが、漏らしてしまいそうで怖いかもしれませんが、自分ができると思ったタイミングでトイレを我慢してみてください。

膀胱に尿をあまりためない状態が続いてしまうと、膀胱自体が小さくなってしまい、尿をためられなくなってしまいます。

無理のない範囲で、まずは1回我慢することから始めてみましょう。少しずつ間隔を伸ばせるようになれば、頻尿対策につながります。

骨盤底筋を鍛えてみる

コツさえつかんでしまえば、いつでもどこでも行える予防策になります。

骨盤底筋とは膀胱や子宮、腸などを支えている大切な筋肉です。

女性は出産や加齢により女性ホルモンが減少し、この筋肉が緩んでしまい、頻尿の症状がでることがあります。

骨盤底筋を鍛えることで膀胱や尿道が締まり、わずかな衝撃で尿漏れを起こしてしまうことご防ぐことができます。

老若男女問わず行える骨盤底筋運動はとてもオススメです。

過活動膀胱の原因と症状のまとめ

過活動膀胱は、膀胱の異常な活動により、頻尿や急激な尿意を起こす機能障害の一つです。

過活動膀胱が悪化すると切迫性尿失禁の恐れもあります。

年齢を重ねるごとに男女共に症状が現れ、原因が分かっていない突発性の過活動膀胱の方が最も多いです。

また、脳や脊髄神経などに障害が起きたり、前立腺肥大症、加齢が原因で過活動膀胱になります。